クレームが怖い? > 怖くない!【小売業での18年の経験を話す】

クレームが怖い。

当たり前のことだと思います

   

予想もつかないタイミングで、予想もつかない人から急に怒鳴られるようなことだってありますしね。

   

ただ、あたふたするだけでは何の解決にもなりません。

スムースな対応ができなければ、余計に相手を怒らせることになります。

   

大丈夫です。

完璧に対応することはとても難しいことですが、ある程度”準備”していておくことで、”クレームが怖い”状況からは抜け出せます。

   

マニュアルを用意している会社もたくさんありますが、ここでは小売業に18年間従事した、私の経験をお話します。

   

たくさん、(クレームを)「くらいました」。。。(号泣)

うまく解決できたもの、できなかったもの、それぞれ大量にあります。

   

クレームが怖い? > まずは、「落ち着いて聴く」

ギャンギャンくる人、いますよね。。。

   

聴く

これで、ほぼ解決できることが多いです。

本当です。

   

クレームというものは、100%お客様からのアクション(当たり前ですが)。

電話なり、対面なりで、”何かを言ってくる”わけですよね。

   

それを「聴く」。

   

当たり前なのですが、、、

ここで、最後まで聴かずに、相手の話を遮って、”自分の側”の話を始めるような人がいます。

これはダメ。相手は逆上し、火に油を注ぐようなものです。

   

ちゃんと聴く」。

遮るのはNGですが、相槌を打ったり、的確な質問をするのはアリです。

   

まず相手の話を聴く。

内容を理解できたところで、”こちらに非があることが明らかであれば”謝る。

これがクレーム対応の基本の流れでしょう。

   

私が勤めた会社の1つでは、話を詳しく聴く前に、まず謝る

とされていました。

相手が怒鳴り込んできたような場合だと、落ち着かせることができるからですね。

   

でもやはり、まずは「聴く」ことが基本です。

何に対して怒っているのか、わからないうちに謝るのも変ですからね。

   

クレームが怖い? > 小売業18年でのクレーム対応経験

キツイ絵ですが、、、

   

初めに書いたとおり、クレームは予想ができません。

クレームがくるのが明らかな場合(商品の不備が発覚し、店舗・会社側から謝罪や回収のアクションをとる)もありますが、多くのクレームは、「いつ誰が」を予想することはできません。

   

そこで必要なのが”経験”です。

   

転職時の面接で、「クレームには慣れています」と言ったときに、面接官から興味を持たれることがしょっちゅうあります。

もちろん、具体的なストーリーを話す必要がありますが、”クレーム慣れ”している人を求めている会社はいまだに多いのでしょう。

   

私がうけた、数えきれないクレーム経験の中から、印象に残っているものを書きます。

必ず参考になるはずです。(もしくは、読むだけでも面白いかも・・・)

   

①ブチギレ!「今すぐ持ってこい!」

よくあるパターンです。

「商品に不備があった」場合ですね。

   

けっこう日時を覚えているもので・・・

1999年の12月でした。

電化製品を販売する店舗に勤めていました。

19時ごろ、電話が鳴りました。

いきなり、「お前んとこで買った商品開けたら、パーツが入ってないやんけ!」※関西の店舗でした。

> この場合は、この時点で「申し訳ありません」と言うのが正解ですね。

   

この時厄介だったのは、相手がお酒を飲んでいたこと。

丁寧に「聴いて」「謝って」も、怒りがおさまりづらいのです。

「すぐ持ってこい!」

   

冷静なお客様(←こういった方も多いです!)は、郵送で2,3日でも待って下さるのですが、、、

車で、片道1時間半ほどの距離でしたが、「かしこまりました。うかがいます、」と言って電話を切ります。

   

調べると、20センチほどのアンテナでした。これが入っていない、と。

店舗在庫の同じ商品を開けてみると、商品は破損防止のため、四角い発泡スチロールのそれぞれ凹んだ部分に収められています。

”嫌な予感”がしましたが、酔っぱらって激怒している相手に再度電話して、「もう一度よく探してほしい」とは言えません。もちろん、本当にパーツが入っていないケースだって多いのですから。

   

真っ暗な道をとばし、ようやくたどり着いたお客様の家。当時はカーナビもそこまで普及していませんでしたから、店舗には地図が常備されていました。グーグルマップなんかも存在しない時代です。

   

私:「大変申し訳ありませんでした。新しい商品をお持ちいたしました。」

お客様(30代半ばほどの男性が赤い顔で):「おう!」「おまえーー、ホンマ気ぃ悪いな!」

私:「申し訳ありません。」

※100%ではありませんが、”わざわざ自宅まで持って行く”と、怒りはおさまります。この時は飲酒がありましたので、やや荒れていましたが。

   

私:「それでは、不備のあった商品をお引き取りさせていただきます。」

お客様:「ほら、これや!」

→すぐに確認します。すると、、、

私:「あっ、こちらにありますね。」(笑顔)

   

赤い顔が一瞬で冷めていきました(笑)

   

お客様:「ホンマや・・・」(絶句)

   

しばらく呆然とされてから

お客様:「すみませんでした!」

と(笑)

「いえいえ。」と笑顔で言い、華麗に立ち去りましたが、、、虚しさもありましたね。。。

   

この件以降、私が同じように、買った商品にパーツが入っていないことがあっても、よく探すようになりました(笑)。

また、入っていなくとも怒鳴ったりキレたりしない。と心に決めました(笑)

   

やはりね。怒りにまかせて我を忘れているさまは本当にみっともない。

器の小ささが露呈されます。

   

②冷静だけど・・・「誠意を見せろ」

これもありました。

よく聞くフレーズですよね。

   

いちいち覚えていますが、これは2002年。

1,000円もしない、小さな商品でしたが、「作動しない」と店舗に電話。

これまた30歳前後の、女性でした。※場所は関西ではありませんが、方言(?)を再現できませんので関西弁で書きます。

   

もちろん、詳細を”聴き”ます。

私:「申し訳ありません。新しいものと交換させていただきます。」

お客様:「は?そんなん、いらん。」「今日使うはずやったんや。もう用事は済んだから、こんなん、いらんねん。」

私:「そうでしたか。大変申し訳ありません。それではご返金をさせていただきます。レシートはお持ちでいらっしゃいますか?」

お客様:「返金って・・・。1,000円くらいやんな。」

私:「さようでございますね。」

お客様:「あんな。こっちは今日のためにわざわざ1時間ほどかけて買いに行ってん。」「それがこれや。」「1,000円くらい返してもらったって、意味ないねん。」

私:「は?」

お客様:「は?じゃないねん。誠意を見せろや。」

私:「と言いますと?」

お客様:「こっちは時間もかけて出向いたのに、結局役に立たずや。」「時間返せや。慰謝料みたいなもん、ふつうあるやろ。」

私:「・・・」

「申し訳ありませんが、商品の代金以上のお金をお渡しすることはできません。(きっぱり)」

お客様:「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ??????」

   

この後さんざんゴネられましたが、できないものはできません。

最後は何か捨て台詞を吐いて電話を切られました。

   

※けっこう面倒なのは、「本社に電話してやる!」というもの。

支店評価がマイナスになりかねないのを知ってのセリフですね。

やれやれ、です。

   

③恐怖!〇クザからのクレーム

怖いもんは怖い。。。

   

社会人人生最大ともいえる恐怖を感じたクレームです。

   

忘れもしない、2004年の初夏。

またも電気関係商品。

電話にて↓

客:「動かなくなった。」

店:「申し訳ありません。」「いつ頃お買い上げになられた商品でしょうか?」

客:「そんなん、おぼえてない。」「とにかく、引き取りに来て。」

店:「・・・。」「では伺います。」

   

電話で対応したスタッフ:「この人、〇クザのクレーマーです。前にももめて、(会社が)大金を支払いました。」

私:「えっ?(怖)」

しかし、よくよく話を聞いてみると、その際は確かに商品に不備があって、お客様にちょっとした怪我を負わせてしまったとのこと。慰謝料として支払った金額はたしかに大きいものでしたが・・・

   

私:「そうか。まぁ今回は怪我どうこうはないし、本当に商品不良かもしれない。」「ちょっと行ってくるよ。」

平日でした。

そこそこ大きなお店ではありましたが、暇な時期で、お客さんもまばらな日中。社員は店長である私ともう1人のみ。

1人で通勤に使っている自家用車に乗り込み、この〇クザの方の家へ向かいました。

   

恐怖! ただただ恐怖!

ビビりました。。。

   

当時の私は30代前半。

人生で初めて、〇クザの方のお宅訪問です。

   

古い、木造の平屋でした。

某指定〇力団系の、末端の組長宅。

ヤの方(当時40代女性、組長夫人。夫の組長は不在):「まぁ、あがって見てや。」

私:「は、はい。」

   

すごい家です。

玄関を上がると、大きな畳の広間。20畳くらい。

正面に仏壇があり、それをコの字に取り囲むように、額におさめられたモノクロの写真(怖い顔のオッサンばかり)が壁に飾ってあります。

   

ヤの方:「商品はこれや。」と、指さします。

テレビにつなげて映し出すもので、それが全く映らなくなった、と。

   

私:「こ、これは・・・」

見ると、間違いなく購入して数年は経過していそうな、黒ずんでいる商品。

もちろん保証期間は過ぎており、扱い方もキレイとは言えない状態でしたので、故障して当然でした。

   

困りました。

商品が悪いのではなく、扱いが悪いための不具合。何より、もう十分に元が取れたはずの使用状況。

   

ヤの方:「交換してくれるん?」

私:「(できるわけないやろ!)」「うーーーーん、そうですねぇ・・・」

しばらく頭を抱えていると、ずっと黙って見ていた、二十歳そこそこの男性(組長息子)が

「ごちゃごちゃ言わんと交換せい。」

   

私:「少しお待ちください。」

と言うのと同時に、商品を手に取って調べます。

完全に経年による接触不良。とても直せません。

かと言って、簡単に交換に応じるわけにもいきません。

   

夢中で、使ってはいけないとされる、洗浄液でゴシゴシ・・・

   

うつった!!!

   

私:「直りました!(まじか)」

   

ヤの方々:「おぅ、ほんまや。よかったやん。」

   

特に因縁をつけるようなことは考えていなかったようで、とにかく直してほしかったようです。

   

私:「ではこれで、失礼します。」と足早に退散。

   

その後、いつまた故障するだろうかとおびえながら過ごすも、TELはなし。

(直ったのは)奇跡でした。

   

さらに血の気がひいたのは、それから数か月後。

出勤すると、上司(エリアマネージャー)から電話が。

「おい、ニュース見たか!」

私:「え?」

上司:「お前が対応したあの〇クザ、殺人で捕まったぞ!」

   

そうです。彼ら、全国ニュースになるほどの事件を起こしてしまいました。

殺人て!!!

   

   

危なそうとわかっている方の家を訪問する場合は2名以上で、というルールがあるにはあったのですが、それをしてしまうと店舗に社員がゼロ。

仕方なかったのですが、さすがにこれ以降はルールを守りました。といっても、そうそうこんな方には巡り合わないのですが。

   

1人はダメですね。

   

クレームが怖い? > 怖くない!

いかがでしたでしょうか。

   

転職の面接なんかでは「クレーム慣れしてます!」とか言いますが、、、

慣れません。慣れませんよ!

〇クザの相手をしたからって、同じです!

   

パターンのようなものこそあれ、お1人お1人、違う人間からクレームがあるんですから。

   

ですから、まず聴く。冷静に。

これが基本。

   

最後に。

不思議なもので、クレームを呼ぶ人、呼ばない人がいました。

   

クレームを呼ぶ人というのは、いつもクレームのことを考えている人でした。

「こういうのがきたら、こうしよう。」とか、「こういうのがきたら、どうしたらいいか。」とか、四六時中考えている人です。

   

クレームを呼ばない人は、クレームの話をしません。

過去に起こったクレームも、これから起こるかもしれないクレームも、話題にしない。

   

いつも笑顔でいる。

   

もちろん、その人のいるお店でもクレームはあるんですが、、、

”大きく”ならない。

   

不思議でしたね。

   

※参考記事↓

本当にあったクレーマーの怖い話、「自宅訪問」を絶対にしてはいけない理由
今回は実際にあった、自宅を訪問して恫喝される恐怖のケースと取るべき対処法を紹介します。相手の陣地に巧妙に張り巡らされている“蜘蛛の巣”に絡まり、身動きの取れないあなたの姿を想像してみてください。クレーム対応をする者なら誰でも不安に陥るでしょう。

たしかに、監禁っていうのもあったなぁ(汗)

   

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